「三点盛」後記〜台本完成までのプロセス〜


もう先週のことになりますが、朗読劇「お話三点盛」無事終演致しました。
ご来場頂いた皆様、ありがとうございました。
心より感謝申し上げます。

半年ほど前。
ある公演を観たことがキッカケで、私も朗読劇をやろうと突然決めました。 
いわゆる地の文のあるものを舞台用に書いて、自ら演出するーーやったことがない。やってみたい。
お客様があまり構えずに観られるもの…短編3本くらいの構成にしよう。
さて、どんな話がいいか。

私はあれこれと考え、ふつふつと煮立ってきたアイデアを、小説家気取りで一気に書き上げました。まずは一本。
もうひとつは以前リーディングで上演したものをバージョンアップ。結末も変える。
これでとりあえず二本。

夏の終わり、私は出演者に集まってもらい、出来たものを読んでもらいました。
……くどい。
まだるっこしい。
わかりにくい。
こりゃお客様、寝ちまうぞ。

ただ文章を書くことに酔っているだけの、独りよがりの自分の姿が見えるようで、私はすごすごと持ち帰りました。
そう、朗読劇をやろうと決めて目指したのは…
聞こえてくる文章をおいしく味わってほしい。ストーリーにワクワクしてほしい。
言葉を発する役者の佇まいを楽しんでほしい。
…みたいなことだったのに、何ひとつクリアしていない。
私は上記のことをじっくり考え、書き直しに入りました。

そしてあと一本。どうしよう。
バランス的には、人生について考えさせられたり、しみじみと共感したり、心がじんわりあたたかくなるようなほっこりした話…そういう作品もひとつくらいあった方がいいのかな。
だって朗読だもん。
それに既に書いちゃった二本は、ミステリーの皮を被った力の抜ける話と、童話タッチのシュールな小話だし。
この二本に、あ、意外にこういう一面もあるのね、と思われるようなしっかりした話を挟み込む。いいね。
そんなスケベ心があったのに、まあペンが、指が、キーボードが……曲がる曲がる。おかしいな。
私は手を止めしばし考えました。
ええと。

現実世界はこのところ、個人的にも世の中的にも問題が山積み。
じっくり考えたり、自問自答したり、嫌でもいろんなことと対峙しなければならない毎日。
師走の三日間ぐらい…ねえ。
ただ笑いたい。笑ってほしい。
そういう気持ちがあることに、はっきりと気づきました。
それに朗読劇は感動したりほっこりしたりするもの、と決まっているわけじゃない。自分でシバリを作る必要はないじゃないか。
素敵なピアノの音色と、ゆったりとくつろげるドリンクの美味しいカフェで、リボンをかけてお客様にお渡しすることもできる。
お話自体は あー笑った、というくらいのもので…
いや、
笑えるだけ、
みたいなものが、いいんではないか?
よし。

「私は、馬鹿話でいく。」
『レディ・プレイヤー1』の森崎ウィンさんばりに決意を固めた私は、他の二つよりもさらにくだらない話を王道な構成で楽しんで書き(演出もイロモノ的な扱いで)、公演タイトルを「お話三点盛」としました。

結果、この座組でないと出来ない、というものになり、計算通り生ピアノの響きにも助けられました。

いかがだったでしょうか。
しかし朗読劇……難しい。
本を読んでいる役者を目の前にして、いろいろなシーンをお客様に想像してもらう、落語と紙芝居の中間のような…不思議な表現スタイル。
芝居とは全く違う。
面白い。

というわけで、次回またいつか。
さらに研ぎ澄ませたものをお届けできることを願って。

またお会いしましょう。

ユーカリノート Eucalynote

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